『セブン-イレブンの正体』
古川琢也+週刊金曜日取材班(2009)『セブン-イレブンの正体』金曜日、1200円+税。
1月20日付け中日新聞朝刊に、2008年の全国百貨店売上高がコンビニ全店の売上高に抜かれることが確実になった旨の記事が掲載されていました。テレビ等のニュースでは、タスポ効果による売上げ増や、若者だけでなく幅広い年代層による利用がコンビニ全体の売上げを押上げているとの解説もなされていましたが、そうしたコンビニの代表であるセブンイレブンの「裏側」を解説したいくつかの記事から構成されているのが、本書となります。
「本部一人勝ち」を生み出す「コンビニ会計の仕組み」や「加盟店からの不当ピンハネ疑惑」など、具体的な資料の呈示だけでなく、元加盟店主が起こした裁判内容も報告されていて、興味深い内容になっています。また、「人気商品」としての「おでん」の裏側として、「本部が作成したおでんの損益分岐点」に対する疑問とともに、「鮮度管理」の難しさが具体的な事例とともに記述されています。おでん鍋への「虫の混入」に対する記述もありましたが、「利益に結びつきにくい一方、管理は難しい」との指摘には、頷けるものがありました。
90年代までは、セブンイレブンの情報システムの先進性が、いろいろな雑誌で特集されていた記憶があります(現在も続いているのかもしれませんが)。一日当たりの平均売上げが、2位のローソンを大きく引き離しているのも、情報システムの違いによると書いている記事を、いくつか読んだ記憶もあります。そしてその情報システムとともに、情報システムを使う店の人たちが、常に「仮説と検証」を行っていることを評価している記事を読んだこともありました。
「四六時中見張られる商品配送ドライバー」のところでは、そうした情報システムに縛られた労働現場が抱える問題が、いくつか指摘されています。また、「仮説と検証」については、「会長が出したアイデアの『成果』を検証することなど、絶対に不可能」とのセブンイレブンの元社員の言葉とともに、「自腹買い」の存在についても報告されています。
終りの方では、セブンイレブンに代表されるコンビニ業界が抱える「問題」を報道しないメディアの姿勢対する指摘もなされています。鈴木会長がトーハンの副会長を兼務していることから、「出版業界への影響力も非常に強い」とのことで、さまざまなエピソードが紹介されています。そして最後には、セブンイレブンの弁当工場への「潜入ルポ」も掲載されています。
本日(2月7日)付け中日新聞朝刊には、「金融危機の今こそスローライフ」ということで、効率優先の生活を見直しゆとりある暮らしを目指すスローライフ運動の発祥の地イタリアから来日したブルーノ・コンティジャーニさんの記事が掲載されています。一日推定一億八千万円(セブンイレブン全店)相当の弁当類が廃棄されているというデータの呈示から本書は始まりますが、便利さの陰で、それを支えるモノの問題だけでなく、人の問題にも切り込んだ本書は、「コンビニ」を考える上で参考にすべき本の一冊だと思いました。
ちなみに、本書はセブンアンドワイのインターネットショッピングを初めて利用して注文し、自宅近くのセブンイレブンで受け取りました。注文から受け取りまでの期間は4日で、受け取りまでの状況が、ホームページでリアルタイムにチェック可能な状態になっていました。
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コメント
最近、通勤途中の道路沿いに、2軒のセブンイレブンが出来ました。
その付近には以前から1軒ありましたので、これでセブンイレブンは3軒になります。
他社のコンビニも数軒ある状態で、やっていけるのかな
この世界はつくづく大変だなと思いました!!(゚ロ゚屮)屮
投稿: ともくん | 2009年3月12日 (木) 08時47分