『「アメリカ社会」入門』
コリン・ジョイス(2009)『「アメリカ社会」入門』NHK出版、740円+税。
本書は、「英国人ニューヨークに住む」という副題がついていて、『「ニッポン社会」入門』の姉妹版ともいえる内容になっています。著者によれば、「アメリカとイギリスはちがう。微妙なちがいもあるが、根本的にちがうところもある」ということで、著者が考える「根本的にちがう」内容が、14章にわたり記述されています。
最初のところでは、著者による1997年当時のニューヨークの印象が書かれています。マンハッタンで見かける人たちは、みな身体が細く、アメリカでの肥満の蔓延は誇張かと思ったところ、ブルックリンのフルトン・ストリートでは沢山の太った人たちに出会うことになります。また、その太った人たちの多くが黒人だったことから、アメリカ社会が人種や階層ごとに分断されていることに気づいていきます。そんなニューヨークの感想から、著者による「アメリカ社会」への記述へと進んでいきます。
他人が自分の「個人空間」に入ってきたときのアメリカ人とイギリス人との違いや、ユーモアーに対する両国民の違い、アメリカの名門一族の存在に対する著者の違和感等、興味深い記述が展開されていきますが、「アメリカ式社交術」である「ネットワーキング」に対する著者の考えが書いてある章では、私自身、「ネットワーキング」に関する本を読んだりして少し影響を受けていただけに、目を開かれるような思いでその内容を読むことができました。
本文とは別に、「ななめから見たアメリカの歴史」ということで、「ボストンのお茶会」、「ワシントン少年の桜」や「マーティン・ルーサー・キングの夢」について書かれた記事とともに、「ニューヨークの壁」、「ニューヨークの落書き」や、「ニューヨークの風景」に関する写真も掲載されていて、著者であるジョイスさんから見たニューヨーク(アメリカ社会)が分かりやすく理解できる内容になっています。『「ニッポン社会」入門』と併せて読むと、内容への理解が深まります。
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